薄氷とイトウ [Thin ice & Hucho perryi]
遅めの昼食を終え、近年お気に入りのランも中盤に掛かった所、いつもなら一度陸に上がりパスする深場所だ。今日は水流が緩いから少しだけ無理なウェーディングして数投だった。斜め45°にキャストしたラインがゆっくりと下流に膨らみ、スイングが終わる辺りで 「もわっ」とする感触。右手でPEランニングラインを引くと、もう一度
「もわっ」
この日まったく生命反応を味わっていない右手は、これが落ち葉などではない事を感じ、3度目の「もわっ」で我慢できずガツンと引いた。ずっしりとした感触、魚である確信を持ってもう一度追いあわせを入れる。
ぐーん と大きな首振り。そしてダッシュ。ジュジュジュジュジューーとランニングラインとグローブが擦れる。急いでラインをリールに巻き取った辺りでまた首振り。ロッドティップが水面に突き刺ささる。ロッドを低く構えて首振りに耐えるが、首振りの度に#11のソルト用ロッドがバットから曲がっている。
「焦るな」
ラインは巻いた。ドラグも締めた。でも立ち位置がまずい。そもそもウェーディングが深すぎる。
少しずつ立ち位置を調整しながらリールを巻くが猛烈なダッシュの度に逆転するリールのノブが親指を激しく弾く。
5分ほど経過した頃、魚が水面に浮いてきた。もうすぐかと思いきや、水没している木に突進し頭を木にこすりつけるように振る。針を外すつもりか。
この日は大増水から緩やかに減水している途中で、水量は適量か、やや少なめ。天気は曇り。と、ちょうど良いコンディションだっただろうか。ただ気温はぐっと冷え込み吐く息は白く、草木にも霜が降りていた。
いやがおうにも期待はふくらみ、キャストを繰り返すが、反応は全くない。ラインもガイドも凍る。
日の出を迎え、木々を照らす。もう2週間もするとこの辺りは白い雪に覆われてモノトーンの世界になるので、紅葉を楽しむのも今のうちだ。
いつもなら午後を過ぎると雑なキャストに雑な流し方になるのだけど、朝一のランで同行者にイトウが出たおかげで、午後も集中力が切れなかった。なぜか自分のフライを信じて投げ続けた。そしてイトウが出た。
ロッドもリールもラインもノットもフックも。不安要素は何もなくやりとりに集中できた。
バットパワーで木からイトウを引きはがすが、今度は対岸にダッシュ。ドラグがギャーーーーーーーーーと長く鳴る。寄せる、走る、暴れるを何度も繰り返し、2度のセルフランディングに失敗したとろで、ようやく駆けつけてくれた同行者によってネットイン!
ファイト時間は推定10~15分 90センチちょうどのイトウだった。
サイズとしてはそこそこだけど、イトウとのファイトはもちろん集中を切らさず釣りを続けた過程や内容に満足している。
ROD:Beulah Bluewater #10,11
Reel: TOYO JET STREAM 古くて新しいリール
Running Line: Berkley Super FireLine 50lb
Line: Kencube 3m インター + T10 を2m
Reader: Seaguar Grand max FX 4号 2m
飽食のイトウ
新緑のイトウ
satoruさん、こんばんは!
ご無沙汰しております。釣りに行けるようになった模様ですね。
それにしても、このアナコンダのような生き物は90cmには見えず、どう見ても1mオーバーに見えます・・・。
5枚目の写真、すばらしい構図というか、迫力満点ですね。どうやって撮影したんですか?
そしてラインシステム、とても参考になります。これは良さそうだ!
こんばんは。アンディーさん。
コメントありがとうございます。
そうなんです。9月頃から少しずつリハビリを始めて、今回から本気モードに入ったところでした。結果としては出来すぎですね。タイミングが良かったんでしょう。
>どう見ても1mオーバー
ファイトもいままでで一番でしたが、まさかの90止まりでした。あれれ?って何度測っても同じでした(笑)
>5枚目の写真
ありがとうございます。自分でも大変気に入っている写真です。
オリンパスのTGー3に純正のフィッシュアイコンバーター付けて撮ってます。
これのいいところは取り外しが簡単にできるところです。
水中写真は付けたままで、抱っこ写真は外して通常画角で撮ってもらってます。
右手でしっぽをつかみ、左膝でそっと魚を支えつつ、左手でシャッターを切る セルフィーです。
このときレンズの半分だけ水中に入れて撮ると、カメラとの距離が20センチでも魚と自分がどっちも写ります。
フィッシュアイだから出来る撮影です。
さて、そろそろ十勝のアメマスシーズンですね。
去年はボーズ食らったので、今年こそ!と意気込んでします。